第5回日本李登輝友の会愛知県支部総会・記念講演会
演題「中国の脅威と台湾問題」
〜日本がこれから進むべき道〜
講師:
石 平 氏
平成22年7月4日名古屋港ポートビル
【講演会3】
>>平和を破壊するのは平和主義者
 台湾が獲られれば、日本は中国に頭を下げて生きていくしかない。しかし、中国は、頭を下げるだけでは済まなくなる。お金で済む問題ではない。2〜3年後は、日本にとっても民族存亡の危機に晒される。今、消費税なんぼではなく、民族存続の危機を考えなくてはならないが、国防問題が焦点にならない。
 民主党は、胡錦濤が喜ぶ政策をするであろう。幕末以上に深刻な状態。しょうもない政党が日本を危機に陥れる。日本の中の危機、民族存続の危機。まず、憲法問題を解決、あれを捨てなければならない。
 私は、帰化するとき、日本国憲法に忠誠を誓うことを求められなかったから、憲法批判をするが、本来、国家はエゴイズムであり、友愛が入れる余地はない。自分たちを守るのが基本であり、他人のために命を捧げることはない。
 あの憲法、アメリカが押し付けたが、それを一生懸命守ろうとする日本人がいるのが不思議。強盗が作った憲法を守ろうなど、馬鹿な話。「9条の会」が守りたいのは、日本なのか9条なのか?平和は私も好きであるし、大切なことだが、文言に「平和」を入れて、平和が構築できるなら、そんな簡単なことはない。しかし、現実はそうは行かない。自国民を危機に陥れてまでして9条を守ろうとするのは、9条真理教だ。
 日本は、指揮官が「日本は悪いことをしたのではない」といってクビ。日本を悪く言うのが政治家になり、首相になる。
 米国と対等。それは良い。しかし、その前に自分達で守るようにしなければならない。憲法問題こそ危機的問題。自分で守る体制を作り、改めて日米同盟を作るなら良い。民主党は、国際情勢に対する認識がゼロ。
 力のバランス、暴走を阻止する意思を示すこと、これが抑止力。暴走を思い止まらせることが出来て平和である。平和を破壊しているのは平和主義者である。何もしないで平和など有り得ない。戦後60年、この2〜3年で総括クリアしなければならない。
 憲法改正して、国防態勢を整える。可能なら核兵器を持つ。なぜ冷戦だったのか?本物の戦争にならなかったのか?それは互いに核兵器があったから。
 長崎・広島をみて「核兵器を持つべきではない」は逆だ。長崎や広島があるから核兵器を持つべきだ。もし、日本が核兵器を持ち、米国へ運ぶ手段があれば、広島や長崎に核を落とされることはなかった。
 日本が安全保障を真剣に考えれば流れは変わる。日本も台湾も近い内に国家存亡の危機が来る可能性がある。その危険性が1%であったとしても、それに対応するのが国防。憲法改正と国防態勢を整え、日米同盟を再構築することが急務。座して待っていれば、もう終わり。国防を考える政治家を国会へ送り出すことだ。
【質疑応答】
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Q:今の中国に共産主義イデオロギーを持つ人はいるのか?内部崩壊の可能性は?
A:独裁主義だけは共産主義(もっともマルクスは、独裁主義を言ってはいないが)。マルクスは、資本主義の悪い面を取り上げたが、今の中国は、その悪い資本主義の状態。中国から見れば、日本の方が社会主義。現実、悪徳資本主義で共産党も汚職が常識。暗黙で共産党ポストも売買されているという。(財政局の方が教育局より高い)これだけ格差が出ると毛沢東の唱えた平等を求めるようにもなる。(もっとも、毛沢東こそ平等ではないが)あの頃は、貧乏の平等。貧乏は不安材料ではなかった。
 内部崩壊は、経済成長が戸前歯、共産党内でも派閥が出来、権力委譲で問題が起きる。ケ小平のようなカリスマがいないので、誰が指名するのか。選挙がないから、内部での権力闘争が起きる。毛沢東に戻るのか、改革開放なのか、天安門であれだけの運動になったのは、内部での派閥抗争もあって、運動が拡大した。ヤクザが内部でやっているときはよいが、ひとつになったときは怖い。
【別質問から関連して記述】
 バブルが崩壊して、失業が増え、不満が高まるが、共産党は中々、死なない。死ぬ場合、誰かを道連れにする。暴走したときが危険。日本が、どのように対応するかで活路を見出すことが出来る。
【閉会】
 挨拶は、副支部長:森藤左エ門。
手に持っているのは、石平氏著:「謀略家たちの中国」PHP出版。
(平成21年11月26日出版)
この日のために20冊取り寄せ、完売。もっとあっても良かったという声も。
今回は125名の来場者がありました。
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